ログイン
kid's world

コンパイラの導入

コンパイラを導入する

というわけで,C言語をやるからにはコンパイラというものが必要になる。コンパイラにはさまざまな種類があり,無料で手に入るものもあれば,お金を出して買わなければならないものもある。本連載では,できるだけお金を出さない方向でいきたいと思う(笑)。

UNIXやLinux,FreeBSDではほとんどの場合,すでにコンパイラはインストールされて使える状態になっている。試しに「cc」(または「gcc」)というコマンドを打ってみよう。コンパイラから何らかのメッセージが表示されるはずである。

Windowsの場合は,代表的な開発環境としてMicrosoftのVisual C++やBorlandのC++Builderなどがあげられる。これらは市販されているコンパイラである。いちおう,Visual C++の使い方については今回の最後に付録2として書いておくので,そちらにも目を通していただきたい。

本連載では付録CD-ROMに収録しているLSI C-86 Ver.3.30c試食版(以下LSI C-86試食版)の利用を想定して行っていく。LSIC-86試食版は,MS-DOSで使うものである。したがって,CUIに関する知識が必要となる。もし一度もCUIに触れたことがない方は,付録1を参考にしていただきたい。

なお,LSI C-86試食版はエル・エス・アイジャパン(株)のご厚意により,無償で提供されるものである。

LSI C-86試食版は,付録CD-ROMに「lsic330c.lzh」というファイル名で圧縮されている。マニュアルもこの中に含まれているので,詳しくはそちらを参照していただきたい。ここではインストールの流れを簡単に説明する。

最初に,「lsic330c.lzh」を解凍ソフトで「C:LSIC86\」の下に解凍する(ハードディスクドライブの文字が「C:\」ではない場合は「C:\」の部分を自分の環境に合うように読み換えていただきたい)。

次に「C:\LSIC86\BIN\_LCC」をメモ帳などのエディタで開く。

そして,そこに現れたテキストの中で「A:\」と書かれている部分3か所すべてを「C:\」に書き換える(List 6)。

List 6: _LCCファイルの設定

# LSI C-86 compiler's configuration file

-DLSI_C
-XC:\LSIC86\BIN -LC:\LSIC86\LIB -IC:\LSIC86\INCLUDE -T -O
-acdos.obj $LSICOPTS
&		#Command line argument will be inserted here
-lknjlib -ldoslib -v

そして,メモ帳などでList 7のように打ち,ファイル名を「lsic.bat」として(デスクトップなどの)アクセスしやすい場所に保存する(もし「lsic.bat.txt」というファイル名になってしまった場合は「lsic.bat」に名前を変更する)。

List 7: lsic.batファイルの設定

PATH=%PATH%;C:\LSIC86\BIN
CD C:\LSIC86
COMMAND

これでインストールは終了である。では,正しくインストールされたか確認してみたい。

lsic.batをダブルクリックすると,黒地の画面が現れるだろうか。そこで「lcc」と打ってEnterキーを押してみよう。「LSIC-86 Compiler ver 3.30c [Aug 19 1993]」などと出てきたら,OK。

おっと,いきなり×ボタンなどを押してこのウィンドウを閉じないように注意。このウィンドウを閉じるときは,終了のコマンド「exit」を入力して,Enterキーを押して終える。

作業用フォルダの用意

次に,プログラムを作成する際に利用する「作業用のディレクトリ」(フォルダ)を作る。プログラムをコンパイルするといろいろなファイルが作られるため,1つのディレクトリの中で作業したほうが管理が簡単になるからである。

では,ここからの説明はWindowsとUNIXの場合について同時に解説していく。

まず,コンソール画面を開く。Windowsでは,先ほど作成した「lsic.bat」をダブルクリックすればよい。UNIXでは最初からコンソール画面になっていればいいが,X Windowが立ち上がっている場合はxtermやktermを使ってコマンドを入力できる画面を表示していただきたい。

ここで,作業用ディレクトリを作成する。どんな名前でもいいのだが,ここでは「tmp」という名前にしておこう。tmpディレクトリを作成する場所が問題となるが,Windowsの場合は「C:\LSIC86」の下に作り,UNIXの場合は自分のホームディレクトリの直下に作ると移動が便利だろう。ディレクトリは「mkdir」コマンドで作る。

・Windowsの場合

mkdir tmp

・UNIXの場合

mkdir ~/tmp

そして,作業用ディレクトリに移動しよう。

・Windowsの場合

cd tmp

・UNIXの場合

cd ~/tmp

C言語でプログラムを書く

それでは,上司に頼まれたプログラムを書いてみよう。本連載はC言語を対象としているので,List 1に書いたプログラムを利用する。

先ほど説明したように,C言語のプログラムは「コンパイラ」に渡さなければならないのだが,そのプログラムは基本的に「ファイル」という形で渡される。

「プレーンテキスト形式」という言葉を聞いたことはあるだろうか? Windowsでいえば,メモ帳が保存するファイルの形式である。コンピュータ上で文字をファイルに保存する際に,もっとも単純な形式として利用されているのがプレーンテキスト形式である。C言語で書かれたプログラムは,プレーンテキスト形式のファイルとして保存されなければならない。このファイルのことを「ソースファイル」などという。プレーンテキスト形式で保存できるプログラムであれば,どんなものを利用してもいい(Fig. 2)。

Fig.2 Windowsのメモ帳に入力した例

/c/basic-fig2.png

ちなみに,プレーンテキスト形式のファイルを専門に扱うプログラムを「エディタ」という。オンラインソフトで多く出回っているので,ぜひあなたに合った1本を見つけて利用していただきたい。なお,あまりお勧めはしないが,Wordを使ってもいい。しかし間違ってもWordファイルとして保存してはならない。保存する形式は,プレーンテキスト形式だ。

では,あなたが選んだプログラム(エディタ)を起動し,List 1を一字一句間違わずに入力していこう。「愛してる!」の代わりに「I love you !」でもよい。そのぐらいなら上司も許してくれるだろう。

入力し終わったら,プレーンテキスト形式で保存するのだが,このときに「拡張子」が重要となる。拡張子とは,コンピュータがそのファイルの種類を特定するために用いられる名前であり,ファイル名の最後のドット「.」の後ろの文字である。「txt」や「exe」,「html」などさまざまな拡張子がある。Windowsでは,標準設定で拡張子が隠される設定になっているので,拡張子を表示する設定にしていただきたい。コントロールパネルの「フォルダ オプション」のウィンドウで「表示」タブの中にある詳細設定の欄の「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外せばよい。

C言語のソースファイルの拡張子は「c」である。したがって「love.c」や「test1.c」というファイル名を用いる。ここでは,「love.c」というファイル名で保存しておこう。

コンパイルする!

これで準備は整った。作成したC言語のソースファイルをコンパイラに渡せば,プログラムができあがる。この作業を「コンパイル」という。つまり専門的な用語を使えば,私たちはこれから「love.c」というソースファイルをCコンパイラでコンパイルし,実行ファイルを作成するわけである(ややこしい……)。

しかしそのややこしさとは対照的に,コンパイルの作業はとても簡単である。LSI-Cの場合は,次のコマンドを打つだけである。

lcc love.c

gcc(UNIXなど)では,

gcc -o love love.c

と「-o」の後ろに作成してもらう実行ファイルの名前を書き,その後ろにソースファイルの名前を書く。作成したソースファイルの内容に誤りがなければ,実行ファイルができあがる。カレントディレクトリの内容を確認してみよう。

・Windowsの場合

dir

・UNIXの場合

ls

LSI-Cでは「love.exe」,gccでは「love」という名前のファイルができあがっているはずである。

実行

さっそくこれらを実行してみよう。実行は,実行ファイルの名前を打つだけである。

love

コンピュータに「愛してる!」といってもらえただろうか(Fig. 3)。

Fig. 3 DOS窓で愛してる!

/c/basic-fig3.png

さあ,さっきからニタニタしている上司へ完成を報告しよう。


コンピュータの3大要素」へ進む

広告


©Toshio Koide 1996-2007.

目次

リンクについて

リンクは御自由にどうぞ。

メール

mail.gif

広告